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交通事故で流産してしまった場合、慰謝料は増額されるのか?

流産慰謝料のイメージ

私は妊娠4ヶ月で妊婦の時に交通事故に遭い、その交通事故が原因で流産してしまいました。夫婦ともに大きな精神的ダメージを受けましたが、流産したということによって、通常よりも多くの慰謝料をもらうことは可能でしょうか。

 

■慰謝料とはなにか。

 

そもそも慰謝料とは、事故によって引き起こされた精神的苦痛に対する賠償です。

これは、妊娠していない普通の人でも事故に遭ったという精神的苦痛に対して支払われるものですから、通常以上に精神的苦痛を味わう事になる妊婦さんには、それ以上の慰謝料が認められて当然でしょう。

 

■胎児は母体の一部

 

母親の体から産まれてくる前の胎児には、個別の慰謝料請求権はありません。

この場合、あくまで胎児は母体の一部と考え母親の慰謝料請求権を増額するという考え方になります。

 

■胎児を失った父親は、加害者に慰謝料を請求できるのか。

 

産まれてくるはずの子供を失った悲しみは、父親だって同じです。ですが、判例では、よほど特別の事情がない限り父親には流産による慰謝料請求は認められていません。

但し、長期間にわたり不妊治療をしていたなどの事情があれば、認められる事もあります。

 

■どの程度慰謝料が増額されるのですか?

 

流産の際の慰謝料増額の目安は、「死亡慰謝料」を基準に考えます。

通常の死亡慰謝料は2000〜2200万円程度で、およそその50%が流産による慰謝料として評価されています。

つまり、流産による慰謝料の増額基準は1000万円程度で、あとはそこから「妊娠期間」に応じて調整します。今回のケースのように妊娠4ヶ月の場合は、慰謝料の増額は個別の事情がなければ、およそ400万円程度と予想されます。

 

■過去に認められた事例

 

最後に、日本国内で過去に流産による慰謝料が認められた事例をご紹介します。

○        妊娠12週…200万円(早期流産が考慮された)

○        妊娠27週…150万円

○        妊娠36週…1000万円(母700万円:父300万円)

 

慰謝料は裁判になると、個別の事情をどこまで適切に反映させられるかがポイントとなります。過去の事例は目安にはなりますが、あくまで目安であり、必ずしもそれと全く同じになるわけではありません。

そのため、賠償金の交渉において、自分が受けた精神的苦痛を正当に評価してもらうためには、経験豊富な弁護士によるサポートが必要不可欠なのです。

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