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【交通死亡事故】発生した場合にとるべき双方の対応とは?

交通死亡事故の手続きのイメージ

交通事故の中でも最も痛ましい事故、それが「交通死亡事故」です。交通事故によって被害者が死亡した場合は、通常の示談交渉とは違った対応が必要となります。今回はその違いを被害者と加害者の両側面から考えてみたいと思います。

 

■交通死亡事故後の「被害者側」の対応について

 

そもそも、交通事故によって被害者が死亡した場合、誰が加害者に対して慰謝料などの賠償金を請求するのでしょうか。この場合、請求するのは死亡した被害者の「法定相続人」となります。法定相続人に関する民法の規定は以下の通りです。

 

  • 配偶者は常に法定相続人となります。
  • 第1順位の法定相続人:子供
    なお、子供が死亡している時は、孫、ひ孫。
  • 第2順位の法定相続人:父母
    なお、父母の両方が亡くなっている時は、祖父母。
  • 第3順位の法定相続人:兄弟姉妹

 

これらの法定相続人が加害者に対して損害賠償請求をする事になります。なお、交通死亡事故の場合は、次のような項目について加害者側に請求する事が出来ます。

 

  • 死亡した本人の慰謝料
  • 遺族に対する慰謝料
  • 葬儀費用
  • 逸失利益
  • 死亡するまでにかかった治療費など

 

通常の人身事故との大きな違いは、自賠責保険においても本人以外の家族に対して一定の慰謝料額が認められるという事です。

 

死亡した本人に対する慰謝料は、本人を相続する法定相続人が相続する事になりますが、それとは別に、相続人である家族固有の慰謝料も認められているのです。民法上は、本人の配偶者、父母、子供以外には固有の慰謝料請求権が認められていませんが、過去の裁判例を参考に考えると、例えば交通死亡事故によって最愛の孫を失った祖父母に対しても、一定の慰謝料額が認められるケースもあるようです。

 

このように交通死亡事故を被害者側から見ると、示談交渉の前に「遺産相続」の問題も絡んでくる事になります。そのため、法定相続人の足並みが揃わないと加害者との示談交渉もスムーズに進みません。この場合は、法定相続人が交通事故に強い弁護士に依頼をして、その交通事故に強い弁護士を窓口として示談交渉や訴訟を提起していく方がおすすめです。

 

■交通死亡事故後の「加害者側」の対応について

 

交通死亡事故を加害者側から見た場合、まず加害者本人が危険運転致死傷罪過失運転致死傷罪などで「逮捕」される場合もあり得ます。ただ、多くのケースでは逃亡の恐れがないとして書類送検扱いとなり、後日検察庁から呼び出されて事情を聞かれる事となります。

 

つまり、被害者家族との示談交渉云々の前に、まず自分の犯した罪に対する刑事責任に関する対応に追われる事となります

 

 

■死亡事故は、示談交渉の「タイミング」が重要

 

交通死亡事故の場合は、事故直後は被害者遺族が混乱している事も多く、加害者との示談交渉に応じられるほど冷静ではいられません。そのため、被害者との 示談交渉を開始するタイミングとしては、四十九日の法要が過ぎたあたりが一つの目安と考えましょう。

 

また、被害者家族によっては、加害者と直接顔を合わせたくないという場合もありますので、被害者との示談交渉などはできる限り交通事故に強い弁護士に依頼することをおすすめします。

 

ちなみに、交通事故によっては被害者だけではなく「加害者も死亡」した場合は、先ほどの被害者側と同じく加害者の法定相続人がその債務を負う事となります。この法定相続人の責任は、「相続放棄」をすることで回避することができます。なお、加害者が死亡したとしても加害者が加入していた任意保険は適用できますので、その任意保険会社を相手に示談交渉をする事となります。

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